蒼碧
「嫌、ですか?」



伺うように私の瞳を覗いてくる総さんに、慌てて背筋を伸ばして言った。



「いえ…、ただ、申し訳なくて」


「僕は、あなたとこうしている時間がとても嬉しいのです」


「……私もです」



思わず、素直に返事ができた。


どうしてだろう。


総さんといると、自然に心穏やかで……笑顔になれる。



「………参ったな、」



総は、ガリガリと頭を掻いた。


安芸は、その姿を見つめながら、なぜかわからないけれど涙ぐんでいた。


正直総さんの言うことはわからない。


だって、あの父が相手をしなくていいなんて、ありえないと思っているから。


でも……


もしも


本当にそうなのだとしたら、この方は私にとって



「本当に、おひさまのよう…」



思わず、口をついて出ていた。
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