蒼碧
買い物、と聞いて思わず胸が躍るくらい嬉しくなってしまう。


初めて総さんと買い物に行った時は嬉しくて、お店の商品一つ一つを手に取るくらい楽しかった。


まだ遙お兄様が家にいた頃に、何度か買い物に出かけたこともあったけれど、いつどこに監視されているのかと、ビクビクしながらの買い物だったから。


本当に楽しくて、総さんと出かけるのは、とても楽しいことだった。



「じゃあ、帰る時に連絡する」



チュッ、と私の頬にキスを落とす総さんに


思わず、唇が欲しくなる。


けれど、総さんは私に触れない。


眠る時も、抱き締めるだけで何もしてくれない。


……私は、総さんともっと深く繋がりたい。


総さんとしたのなら…、今までとは違うものを感じそうな気がしていた。
< 95 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop