なつみかん
毎年、毎年、彼が来るたび、わたしたちは一緒に遊びました。
川遊び・木イチゴ狩り・花畑へ行って、木登り。
その他にもたくさんあるけれど、そう。
夏樹くんとしたことと同じ。
田舎育ちのわたしと同じくらい遊ぶことが上手な蜜樹くん。
普段、周りにいる男子と違って一緒にいると楽しくて嬉しくて、なんだかくすぐったいような気分になっていました。
好き、だった。
それはきっと彼も。
告げたことは一度だってなかったけど、お互いが知っている想いでした。