なつみかん
「お、着いた」
「あぁ、やっぱり」
そこは、川でした。
「何するの?」
尋ねた言葉は流され、夏樹くんに腕を掴まれます。
なつみかんを川の端に浸けて、そのままザバザバと入っていきました。
「ひゃあぁあぁあっ」
冷たくて冷たくて冷たくて。
夏で気持ちいいとはいえ、突然太ももまで浸かるとくれば、そりゃあ叫びもします。
ジャージにしといてよかったー、と心の中で呟く始末。
「つっめて」
「あのねえ、夏樹くんはまだ心の準備できてたかもしれないけど、わたしからすりゃ、はああっ⁉ ってところよおっっ」
意気ごみながら話しているというのに、彼は、
バシャリ
水をかけてきました。
空気よんで⁉