運命ってありますか?
好きな人のためにならどんなことでもできますか?
「おはよ。ルーク。」
「あぁ。」
「どうしたの?元気なくない?」
「…そうか?」

ルークはうつむいたまま、

「もし俺が、権力も金もなくなったら、どうする?」
「どうもしないよ。」
「え?」
「だってルークはルークでしょ?権力もお金がなくてもルークっていう存在は残るじゃん。だからどうもしない。」

ルークははじめは不思議な顔をしたが、だんだんと笑顔になり、私を抱き上げた。

「きゃっ!?」
「やっぱりお前最高の女だ!」
「何が!?ちょっ下ろしてよー」
「やーだー」

「ったく朝から元気だなお前。」

後ろから聞きなれない声がした。

「…リアン。」
「りあん?」
「あぁ。白の王。俺の兄だ」

ルークの腕から抜け出すと、リアンという人に手を取られた。

「初めまして。リアンと申します。お会い出来て光栄です。」
「どうも。歌恋です?」
「なんと…美しい。」

リアンさんは色白で金色の長い髪で顔つきはやはりルークに少し似ている。

「歌恋から手を離せっ。」

ルークが間に割って入ってくる。
瞬間リアンさんは私の後ろに瞬間移動(?)した。

「お前…。」

ルークはかなり不機嫌だ。

「歌恋さん。こいつとはどういう出会いを?」
「出会い?」
「はい。」
「どこに行けばいいのかわからなかった私を助けてくれたんです。」
「ほう。人をすぐ殺すこいつが人助けねぇ。」

リアンさんは挑発的にルークを見た。

「白の国に来ればよかったのに。」
「あははは…。」

ぐっ

ルークが私の腕を掴み自分に引き寄せた。

「近寄るな汚らわしい。俺なんかよりお前のほうが血に染まってるだろ!」
「え?」
「お前一人でこいつに近づくなよ!」
「あぁ…うん?」
「メシだメシ!!」

「僕もご一緒させてもらっていいかな?」

「やだ!お前は一人で食ってろ!」
「じゃぁ、一人女の子を…」
「ダメだ!お前に与えるメシはない」

「アレン!」

「はい。」

あ。なんでアレンさんいるの?

「女どもをひとつの部屋にまとめて結界を張っとけ。吸血鬼用の。」
「はい」

「吸血鬼?」
「リアンは吸血鬼なんだよ。」
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