運命ってありますか?
「ふぅっ。」

歌恋の部屋に前に来て大きく息をする。

ドアを開けようとして異変に気づいた。

「…まさか。」

ドアに結界が張られている。誰の仕業かはすぐにわかった。

「リアン!!」

ドアを叩く。
きっと結界のせいで音は届かないだろう。

歌恋が危ない。

きっとあいつ血を飲ませようとするはずだ。

「あ。」

歌恋がいれば大丈夫。
国を変えられる。

そう言ったのは俺だ。

その無責任な言葉一つのせいでリアンは、歌恋を俺から離そうとしようとしている。

この状況を作ったのは俺だ。

国を奪われても、歌恋を奪われても結局俺はダメになる。

そこをリアンに利用された。

どうする。
どうすればいい。
考えろ。俺。
とりあえず、この部屋に入らなければ。

…そうだ窓だ!

窓なら中に入れる。

俺は隣の部屋に入り、窓を開け外に飛び出す。

「翼。解。」

俺が呟くと、黒い翼が俺の背に現れる。

外を見ると太陽が眩しく照りつける。

「…くぁっ」

俺は昼に外には絶対でない。

黒の力を持っている俺に太陽は敵だ。

だが今はそんなことはどうでもいい。

「かれーーーーーん!!!」

俺は窓に突っ込んだ。

目に入った光景は、リアンの驚いた顔と歌恋の苦しそうな顔だった。

「歌恋助けに来た!もう大丈夫だからな。」

そう言うと、歌恋は少し笑い倒れた。

「お前。何をした。」
「取引さ。」
「血を飲ませたのか。」
「いや。口に入れたが飲み込んではいないようだ。」

俺が歌恋の方を見ると、歌恋の口から血が溢れていた。

「…ったく。心配させやがって。」
「お前も堕ちたな。」
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