運命ってありますか?
俺が堕ちたって?

「この女のためにならなんでもするんだろ。」

リアンは嘲笑した。

「あぁ。」
「昔のお前とは違うな。女に執着するなよ。また裏切られても知らないぞ。」
「あいつと歌恋は違う。」
「なぜ言い切れる。」
「俺がコイツに惚れてるからだ!」
「ハッ。そんな理由で…。」

リアンは俺の体を見た。
太陽にさらされた俺の体はところどころ焦げている。

「お前、歌恋と取引をしようとしたと言ったな。どんな取引だ。」
「お前に言ってなんになる。」
「歌恋は何と答えた。」
「思いつめたままだったからな。お前の未来をとるか、自分の未来をとるか。」

俺の未来と自分の未来?

「俺に一生捧げれば、この国と争わないって言ったら本気で迷っててよ。おもしろかったよ。で、なかなか答え出さなくてムカついたから血飲ませようとしたらそれも拒みやがって。」
「もし…もし、お前が血を飲ませたらどういう答えを言わせようとした?」
「俺に一生を捧げさせたな。」
「なぜ。」
「なぜ?お前の愛する女だから。奪ってやりたかったんだよ。なにもかもな。」

俺といると、歌恋が危険な目にあう…。
しかも今なんか歌恋の未来がかかっていた。

俺が考えていると、腹に激痛が走った。

おそらくリアンの魔法だろう。

「ウガッ…」
「どうだ?今俺とお前で殺し合って…本当に殺したらつまらないから、先に這い蹲らせたほうが勝ちとして、勝った方がこの女を自分のそばに置いておくっていうのは。」

歌恋をかけに使う気か!?

もし俺が負けたら歌恋はもとの世界に戻れなく…
いや。負けない。負けられない。

「わかった。」
「では…行くぞ!!!」
「あぁ。来い」

歌恋Side

「うっ。」

頭がガンガンする。

「おぉっ。目が覚めたか?」
「ルーク?」
「そうだ。俺様だ。」
「ルー…ク」

なぜだか涙が溢れでた。
そうだ。私はリアンに…

「っ…ありがと。」

怖かった。

あの目が、あの冷たい肌が…怖かった。

温かいルークの手がわしの頭を撫でる。

「ルーク?」
「ん?」

ルークの体は傷だらけだった。

「なんで、そんなケガしてるの?」
「なんでもないよ。」
「なんでもないわけないじゃん。だってそんなすごい怪我して…」

…!?

「よかった…歌恋。」
「え?え?」
「ちゃんと守るって言っただろ?」
「うん。言ったけど…どうしてそんな怪我してるの?」
「うーん。リアンと勝負した。お前をかけて。」
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