運命ってありますか？

私情って何かあったのかな？

「おい。入っていいと許可が下りたぞ。」
「あ…うん。」
「なんかあったのか？」
「いや…何でもないかな。」
「行くぞ。アレン、アリス。」
「「はい」」

アレンの表情はさっきの暗い表情とからいつものキリっとした表情に戻っていた。

黄金の重そうな扉が数人がかりで開く…

「ようこそ。黄金の国へ。」
「ライト様。」

ルークが様付けで読むってこの人が王様？
アレンとアリスさんは跪いている。

「お前か。」
「え？」

ライトっていう人が私の手に触れる。

「？」
「？？？」
「こやつ魔力を感じぬぞ。どこから来たんだ。」
「えっと…この世界とは違うところ…ですかね。」
「だが、貴様魔法を使ったであろう。」

なんでこの人にはわかってるんだろう？

「しかも俺しか使えないと思っていた時空転送魔法を…」
「なんでそこまでわかっちゃうの！？」
「歌恋。口を慎め。ライト様はこの世界で一番の魔力を持つと言われているお方だ。」

へぇ…すごい人なんだ。
だからなんでもお見通しなんだ。

「俺もまだまだだな。」
「え？」
「お前のことが全くわからない。」

ライトさんが笑う。

ルークもアレンもアリスも周りにいる人みんなが唖然となっている。
そんなに、ライトさんが笑うのは珍しいことなんだろうか？

「お前、名を歌恋と言ったな。」
「はい…。」
「俺の妃にならんか？」
「へ？」

妃ってお嫁さん？

「なぜだかわからんが気に入った。それに底知れぬ魅力を感じる。どうだ？」

ルークを見るルークはうつむいたまま何も言わない。

「ルーク？」

ルークは目を閉じたまま私が答えるのを待っている様子だった。

「歌恋。答えろ。」
「私は、結婚はしませんよ？」
「そうか…残念だな。まぁ考えとけ、答えはいつ変えても構わないぞ。」

「私この世界じゃモテるのかな…？」
「なぜだ？」

小声で言ったのにバッチシ聞こえちゃってるし。

「歌恋は…。」

それに答えたのはルークだった。

「既にライト様を含め３人のものに結婚を申し込まれています。」
「ほぅ。誰だ？」
「ライト様、リアン…それに私です。」