運命ってありますか?
「でも本当に驚いた。俺以外に時空転送魔法を使える奴がいることも、お前がほかの世界から来たことも。それに…」
「…?」
「いや。いい。部屋を用意してやる。やすめ。」
「はい…って、ルーク達会談室にいるんじゃ?」
「あいつらには話があるから。」
「話?」
「あぁ。お前には関係ない。ほら行け。」

ライトさんは指をヒュンと折り曲げると、私は違う部屋にいた。

「もうっ!なんなのあの人!」

ライトSide

「あの娘…」

今まで会った女とは違う、いや、今まで会った全ての奴と違う。

あいつに絶対魔力はある。

だがなぜだ?

なぜ感じない?

あいつの不思議な魅力はその感じない魔力のせいなのか?

「あぁっ。わからん。」

俺は頭をくしゃくしゃっと掻いてふぅとため息をつき胸をポンッと叩いた。

「俺はあいつに一目惚れしたのか?」

あいつを見た瞬間一瞬今まで感じたことのないものを感じた。
それが一目惚れと繋がるものかは定かではないが、一度…感じたことがある。

「ジェシカ…」

忘れよう。
だめだ。
このことは思い出してはいけない。
だが、あいつを見ると思い出す。それに…
ルークといたあの男…いや。まさかな…。

スウッと空気を吸い込み、会談室へ俺は向かった。

「歩くのも悪くないな。」

最近はずっと時空転送をつかっていたので歩くのは久々だった。

この部屋…。

ある部屋の前を通った時記憶がこみ上げてきた。

「ライトーお腹減ったー」
「…ジェシカッ!?」

廊下に俺の声が響く…。
気のせいか…。
ダメだ。今日は。色々思い出してしまう。

目の前のにルークといた男の兵士が現れた。

「何だ。」
「あなたでしたか。ジェシカを殺したのは。」
「…!」

やはり。
こいつだったか。
ジェシカの兄…アレン。

「そうだ。」
「ッ!」
「なんだその目は。」
「クッ…。」

アレンは俺に剣を抜いて構える。

「殺れるものなら殺ってみろ。」
「……。」
「どうした。」
「ジェシ…歌恋をジェシカの二の舞にしたくない。歌恋に二度と近づかないでくだい。」

それだけ言うとアレンはスッと剣をしまい、会談室へ走って戻った。

「二の舞…か。」

俺はジェシカを殺してなんか…ない。
< 23 / 37 >

この作品をシェア

pagetop