運命ってありますか？

歌恋Side

「ん…寝ちゃったのか。」

コンコン

「…はぁい」

扉を開けるとそこにはライトがいた。

「歌恋。」
「はい？」
「少しいいか？」
「いいですけど…？」
「ありがとう。」

ライトは少し元気のない笑顔で礼を言い、椅子に座った。

「話を聞いてくれるか？」
「？」
「聞いてくれ…。そうすれば気持ちも少し軽くなるだろうからな。」

そう言い、ライトは話を始めた。

私は何も言わずただライトの話を聞いた。

ジェシカさんとの出会いから突然の別れまで。

「…これで終わりだ。」

私は無言でライトの前に立ち、手を差し出した。

「…？」
「一緒に笑おっか。」
「え？」
「ほらっ！悲しい顔はダメだよ！」
「歌恋？」
「笑って？」
「ありがとう。」

ライトはニコッと今までにないくらい優しい笑顔をした。
なんで、私がそうしたかは自分でもわからない。

でも、私がジェシカさんなら「笑って」っていうと思ったから。
好きな人の悲しい顔なんか見たくないじゃん？
私の好きな人は…え？
ふっとルークの笑顔が頭に浮かんだ。

私…もしかして…。

「歌恋！」
「なに！？いきなり！」
「大好きだ！！！」

ギュゥゥッっと力強く、ライトに抱きしめられる。

「よしよし。」

私はライトの頭を撫ぜる。

と。その時タイミング悪く扉が開き、ルークが部屋に入ってきた。

「歌恋…？」
「へ…？」
「お前。」

この状況はまずい。

ライトは私を抱きしめて、私はライトの頭を撫ぜている。

やばい！！！！

「お前本当にタイミング悪いな。」
「ライト様…」
「さっき言ったろ？慰めてもらうって。」
「でも、その状況…。」
「あぁ。俺はコイツに惚れた！」