運命ってありますか?
「大丈夫だよ。きっと」
「え?」
「やり方なんていくらでも変えられるしさ、なんでも自信持ってやらないと!」
「…。」
「元気出してって…なんで私あんたに言ってるんだろ。」

全力の笑顔でルークに言ったけど、ルークに言っても意味ないのか。
なんか恥ずかしいな…。
笑っておこう。

「そういう考え方もあるのか。」
「うん。てか見方を変えればどんな考え方でもできるじゃん。」
「見方を変える…か。」
「たとえばさ~、ん~、戦争が多いって言ってたじゃん。それ見方を変えれば、守るものがたくさんあるってことじゃん。守るものがたくさんあるっていいことじゃない?」
「守るもの…か」
「うん。それって素敵なことじゃない?私さ、あんまり人と関わるの上手くないし、そんな大切なものいっぱい持ってないから守るものがいっぱいあるっていいことだと思うよ。」
「そうか、そういう見方もあるんだな。」

なんでこんなペラペラ喋ってんだろ、私。
こんなに人と喋ったことあんまりないな…。

「じゃぁさ…。」

ルークが口を開いた。

「自分の意見だけで全部決めるのってどう思う。」
「うーん…。他人に意見を求めることも大事だよね。でも自分ひとりで決めなきゃいけない時もあるから、みんなに関わることはほかの人にも意見求めたほうがいいと思うな。」
「そうか…。」
「なんか喋り疲れた。」
「お前、どこで過ごすのか?」
「今日?」
「そうだ。」
「あの小屋」

ルークは驚きながら

「なぜあのようなところに!?」
「いや…行くとこがなくてある人がここにいろって。明日行くとこ考える予定なの。」
「そうか。」
「てかさ、あんた何歳?」
「19。」
「私といっこしか違わないのにそんな偉そうにして何様なのあんた」

私が笑いながら言うとルークは真顔で

「王様」
「え?」
「王様」
「はぃ?」
「だぁかぁらぁ王様だって」
「あんたが?嘘!?」
「本当。」
「ついてこい。部屋用意してやる。」
「えぇぇぇ!?」

私。王様に意見してたってこと?
やばくない?

でも部屋用意してくれるって…

いい人?

あ。本!!!

「ちょっと待ってて」
「おい!」


小屋に戻る途中、アレンと会った。

「おまっ。外で何をしてる。」
「えっと…星見てた。」
「誰かに見つかったらどうするつもりだ!」

「…お前がこの女を城の中に入れたのか」
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