運命ってありますか?
「すいません。王様っ!」

本当に王様なんだ…ってアレンさんを守らないと!

「ルー…」
「お前名はなんという」
「アレンでございます…。」
「お前に褒美をやろう。」
「え?」
「この女はすごいやつだ、気に入っている。だからこいつを連れてきたお前に褒美をやろう。」
「あっありがとうございます…。」

なんだ…。
よかった…。

あ。本取ってくるんだった。

小屋に入って本を取る。

「物語…進んでるのかな。」
「おい!歌恋!出てこい。」
「は~~い。」

私に用意されたのは私の家がまるまる入りそうなほど広い部屋だった。

「こんな部屋っ」
「歌恋様あなたはすごいお方ですね」
「え?」

召使さんは笑顔で答えた。

「いつも冷たい顔をしている王が笑顔で「とびっきりの部屋を用意してやれ」って。よっぽど気に入られてるんですね。」
「そんな、会ったばっかりで気に入る気に入らないとかありますかね」
「ありますよ第一印象って大事ですよ。」
「ルークってどんな人ですか?」
「…王のことはあまり私たちからの口では言ってはいけないので。」
「そうなんですか。」
「申し訳ありません。」

召使さんと入口でしゃべっていると遠くから声が聞こえてきた。

「王様っ席でお待ちください!!」
「嫌だ。俺が迎えに行く!」
「王様っ。」
「もう着くではないか!」

「なにやってんのルーク…」

「食事にしよう。お前も来い。」

これだけ言いに来たのかコイツ。
でも、お腹減ったし…。

「行こっか。」
「あぁ。行こう。」

後ろで召使たちが、「ご機嫌だな。」とボソボソ喋っているのにコイツは気づかないのだろうか…。

「どうした?」
「何でもないけど?」
「そうか、今日の食事はなんだ?」

「ブレーカービーストのステーキでございます。」

「おぉ!あれか!」

…ブレーカービーストって何だ?

「ルーク。ブレーカービーストって何者?」
「お前の世界にはブレーカービーストはいないのか?」
「いないよ。そんなの。」
「10mくらいの毛むくじゃらの牛だ。」
「…。」

それ。多分城の前で襲われた野獣だわ…。
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