何度でも、君にkiss。
複雑な気持ち
―−―−
前には葵が知らない男と仲良さそうにメアドを交換していた。
…幸せになってほしいと願ったのは俺じゃないか。
葵が幸せになるということは、俺じゃない男と結婚し、家庭を築くということ。
少し前の自分だったら葵を幸せにできるのは自分だけだ、と疑うこともなく信じていた。
「…っ。」
分かっていた。
覚悟もしていた。
ただ…。
その光景を見ているのは辛すぎて、きびすを返して早足で歩いた。
「…むっ。宙夢っ!」
「え?」
今の声…葵?