何度でも、君にkiss。
「そんな…関係じゃないよ。ただお喋りして、メアド交換しただけだよ…。」
葵は眉を寄せて怪訝な顔をする。
「どうだかね。付き合っちゃえば?」
あ…言ってしまった。
心にもないことを。
一番言ってはいけないことを。
そう思った時には、もう遅かった。
葵の子犬のような黒目がちの瞳がどんどん潤んでいき、陶器のような白い頬に涙の筋がいくつも出来ていく。
「…あ。ごめん、葵…」
「…いいっ!触らないで!」
涙を拭おうと伸ばした手は葵によって弾かれてしまった。
「宙夢には…宙夢だけには言われたくなかったっ!…大っ嫌いっ!」
そういうと、葵は泣きながら走り去ってしまった。
俺は追いかけることが出来なかった。
「…何してんだよっ、俺!
宙夢はくしゃっと前髪を乱暴に掴んで俯いた。