何度でも、君にkiss。
―−―−
俺は閉じていた目を、ゆっくりと開けた。
浮かんでくるのは、あの向日葵のような明るい笑顔と、白く輝く頬を伝った涙。
俺は…どうしたらいいんだ?
俺は葵のことが好きかと問われたら、たまらなく好きだと迷いなく答えることができる。いつまでもこの気持ちは変わらない。一生愛し続けると誓える。
だけど、葵は?
葵は一時的な感情かもしれない。
俺たちが、もし駆け落ちしたとしても…俺たちに未来はないだろう。
何より、葵を縛りつけたくなかった。俺に、葵の自由を奪う権利はない。
それは俺の弱さかもしれない。
だけど、この恋は諦めなくてはいけない。忘れなくてはいけない。
俺の為にも、葵の為にも…。
無意識に頬に流れた雫を乱暴に拭い、俺は家へ帰った。