Red Hill ~孤独な王女と冒険者~
「えぇっ?
俺がかよっ?」
スコットは思った通りの反応を示した。
だが、彼女たちは一国の王女様ご一行であり、ここリィズ村はイスナの統治下にある。
少しでも無礼な態度をとると、厳罰に処される可能性もなくはない。
簡単に言い含めると、スコットは渋々ながらも了承し、
「じゃ、こちらへ…」そう言って村長の家の方へ歩き出した。
集まっていた村人たちが、その一行を見送る。
やがてポツリポツリとその場を離れ、自宅へと帰っていった。
誰もがその様子を気にしながら。
「ジル…?」
最初は興奮していたマイクも何かを感じたのだろう。
不安そうな表情でジルを見上げた。
「大丈夫よ…」
ジルはそう言って、安心させるかのように彼の手を強く握った。
だが、そう答えてはみたものの、なぜ王女かこの村を訪ねてきたのか、その答えは分からない。
本当に何も心配なければいいのだが、考えずにはいられなかった。
彼女たちはどうしてこの村へ来たのだろう…?
彼女たちの目的はいったい何なのだろうか…?