Red Hill ~孤独な王女と冒険者~
「カチュアは、やっぱ大変なんだな」
ローグが改めて感心したように漏らした。
「城に帰ったら、どうするんだ?」
「うん…。それからは国の政(まつりごと)に関することとかの勉強をしなくちゃいけなくて…」
苦笑するカチュア。
政に関する勉強なんて、とても難しくて理解できないな。
などとジルは思った。
「そりゃ、またご苦労なこったよな」
と大変さを想像しながら漏らすローグ。
そして、
「まぁ、あまり無理せず、マイペースで頑張ればいいじゃん」
と笑ってカチュアに顔を向けた。
だが、その瞬間、カチュアの表情がはっきりと曇った。
ローグが励ますつもりで掛けた一言に、深刻な表情で顔を俯かせてしまうカチュア。
どうしたのいうのだろう?
「カチュア?」
暫く足元を眺めているカチュアに、ジルは声を掛けた。
それからローグに視線を向けて睨む。
何か変なこと言ったんじゃないの?
ローグだって意味が分からない。
自分が何かおかしなことを言ったのだろうかと、眉をしかめて見返した。