Red Hill ~孤独な王女と冒険者~
「ところでさ…」
話題を帰るように、カチュアはジルに向き直った。
上目遣いで見る瞳は、なんだか噂好きの女の子のよう。
「ん?」
手に持っていたホットミルクを一口含み返事する。
「ジルとローグは、恋人関係なの?」
「ぶっっ!!」
思いもよらなかった質問に驚き、ジルはむせ返ってしまった。
「ケホッ…、ケホッ」
「あ、ごめん。大丈夫?」
慌ててカチュアはジルの背中をさすった。
「だ、大丈夫…、ケホッ…。
けど、な、なんでそんなこと…っ?」
自分でも胸を撫でながらカチュアに言った。
次第に咳は治まってくるが、逆に心臓はドキドキしていた。
ローグと私が恋人関係って…。
恋人関係って。
そんな風にカチュアには映っているのだろうか。
「だって、二人ともずっと一緒に旅してるんでしょ?
それに、お互いを信頼しきってるって言うか…、頼りにしてるって言うか…」
カチュアは胸の前で両手を組み、想いを巡らせるように星空を見上げた。
その様子は恋愛話に花を咲かせて夢見る少女のよう。