Red Hill ~孤独な王女と冒険者~

「そ、そんなんじゃないよ!」


思っていたより強く否定してしまった。


そんなことを質問されたのは初めてで、動揺してしまっている。

心臓のドキドキの音が止まらない。


「ホントに?」


カチュアは疑うような目つきでジルを覗き込んできた。

ジルの否定をまったく信じていないよう。


「た、確かにローグとは一緒にいるけど…。もちろん、頼れる相手だし。
でも、そんな関係じゃ、な、ないんだからっ」


動揺を隠すように目線を逸らし、ホットミルクを一口飲んだ。


隣から注がれるカチュアの視線を感じる。


「結構、お似合いだと思うのにな…」


唇を尖らせながらカチュアはまだブツブツ言っていたが、ジルは聞こえないフリをした。


まったく、このぐらいの女の子というのは…。

王女様であっても恋愛話には目がないらしい。

< 77 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop