紅いピアスの眠り姫


「ところで君に夢はあるかい?」



首を傾けて僕に問う。



サラリと髪の毛が揺れた時に、
髪の隙間から何かが紅く光った。



「夢か...ないかな。」



いつも母に訊かれた時は適当に「公務員になりたい」とか答えていたが、何故か彼女には正直に答えてしまった。


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