紅いピアスの眠り姫


「君と私は違う。


君は外に出て歩いている。

君は学校に行っている。

君には友達がいる。



それは私にはできないこと。


この事実を知っただけで、
適当に生きるなんて勿体無いと思わない?

自分は沢山の経験をしているんだって、
少しは自信にならない?」




そう言って笑う彼女。


その笑顔は儚くて、彼女の後ろで舞い散る桜によく似合っていた。
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