紅いピアスの眠り姫



「あぁ!すみません。間違えました!!」



ノックの返事を待たずに入ってしまったことに後悔しながら、彼女に頭を下げた。



「ふふっ、大丈夫ですよ。」


口元に手を添えて笑う仕草は
とても大人びていた。




「本当にすみませんでした。」



もう一度彼女に頭を下げて
出て行こうとする僕に、


「時間がある時にでもまた来てください」


と彼女は微笑んでいた。








< 2 / 48 >

この作品をシェア

pagetop