紅いピアスの眠り姫


「もう、そんな顔しないで。

夢を諦めた訳じゃないわ。

ただ、思った以上に病気がね...」




彼女が窓の外の桜を見つめる。




静まり返った病室には、病院の廊下を走り去る子供達の足音だけが聞こえた。




「これでも運命を変える覚悟はあるのよ」


先に沈黙を破ったのは彼女だった。
< 23 / 48 >

この作品をシェア

pagetop