紅いピアスの眠り姫


彼女の病室を出て、名札を見た。



『201』と書かれたプレートの下は
真っ白で何も書かれていなかった。



個人情報に煩いこの御時世、
名札を廃止する病院も少なくなかった。





病院の受付に行って母の病室を尋ねた。


501号室だった。


きっと新しい携帯電話にまだ慣れていない父が打ち間違えたのだろう。


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