紅いピアスの眠り姫



「貴女は本当に眠り姫になったんだね」



僕の問いかけに彼女は答えない。




「ねぇ、僕が夢を見つけたなんて言ったら驚いて目を覚ます?」



視界がぼやけて彼女がよく見えない。



「ははっ。昨日、雨に濡れすぎて目に雨が溜まってたみたいだよ。」



僕の冗談が面白くなかったせいか、
彼女はピクリともしない。
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