それでも貴方を愛してる



ぶにっ


「ふぇっ⁉」


いきなり陸にほっぺたを両側から引っ張られて私の顔が広がった。


あたふたする私とは裏腹に陸は私の顔を引っ張ったまま真剣な顔で見つめてきた。


「いひゃいでふ、ひゃなひてくだひゃい」

(痛いです、離して下さい)


私がそう言うとあっさりと陸は手を離した。


なんだったんだと、陸の顔を見つめると、

「泣けばいいのに。見栄張ってないで、素直に泣けばいいのに。俺の前くらい泣けよ」


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