【完】結婚させられました!?
誤解を解きながらどうにか事情の全てを
白状すると、翼がほう、っとため息をつ
きながらそう言った。
どうやら信じてくれたみたいだ。
「……ていうかそんな昔の約束覚えてる
なんて、ほんとに健気だね、音夜」
半ば苦笑い気味にそう言った翼。
確かに自分でも、ちょっと気持ち悪いく
らいの執着だなあ、とは思うけど。
「好きなんだから……しょうがねーだろ
?」
そう言うと、翼と裕太が目を大きく見開
いて。
「……うわ、一瞬かっこよかった!」
なんて裕太が興奮したように言うから、
恥ずかしくてそっぽを向いた。
「あ、音夜ーっ!」
その時、そんな声が聞こえてきて、振り
向くと、ポニーテールした茶髪を左右に
振り乱しながら女の子が走ってきた。
「おー、北野……」
「お昼私も一緒でいいー?」