【完】結婚させられました!?
そ、れ、に!
「大倉が王子様に選ばれるのはわかるけ
ど、大倉となんて一緒にやりたくないっ
!」
そう言ってビシッと大倉を指差せば、大
倉がニヤリと笑った。
「褒めてくれてありがとう」
「……っ褒めてない!」
大倉陸。
無造作に整えられた栗色の髪の毛と、ア
ーモンド形の深い二重。それから、長い
睫毛。
サッカー部で、一年のくせにもうレギュ
ラー入りしている実力派。
そんな彼だから、勿論モテモテなわけで
。告白も何度もされているけど、それを
受けたことは無いから不思議だ。
「───……でも」
意地の悪そうな微笑を浮かべた後で、そ
う言葉を紡いだ大倉は。