【完】結婚させられました!?
そして結局、林檎ちゃんだけでなく、ク
ラスの皆にまで言い寄られて、シンデレ
ラを引き受ける事になってしまった私。
最悪……。
「台本は、作ったら渡すね」
ニコニコと相変わらず人当たりの良さげ
な微笑みを称えたままそう言った林檎ち
ゃんに力なく頷く。
どうやら、どれだけ抵抗しても無駄らし
い。
その日の放課後、弓道場に行くと、すで
に大河原先輩が居て。
「よっ!」と片手を挙げてきたから、ペ
コッと頭を下げた。
キョロキョロと辺りを見回しても、先輩
はどこにも居なくて。
「あー、陽介今ね、担任に捕まって雑用
させられてるよー」
どうやらそれに気づいたらしい大河原先
輩が、苦笑いしながらそう言った。
「ていうか心優ちゃん、疲れた顔してん
ね~?」
「う……、わかります?」