【完】結婚させられました!?
「今日、二人で座って楽しげに話してた
だろ。……誰だよ、あれ」
「二人で座ってって……ああ、大倉です
か?」
「んー……そうかも」
先輩が私の首筋に顔を埋めたまま、そう
いうからくすぐったくてしょうがない。
ちょっと身を捩っても、それは許さない
というようにまた強く抱きすくめられて
しまうし。
「あの、王子様役の男の子ですけど……
いつも私に意地悪なんで、気にすること
ないですよ?」
「……いつも意地悪って……余計要注意
じゃんーかよ」
「そうですか……?」
一番安全圏だと思うけどなあ、なんて思
いながら首を傾げると、ゆっくり先輩が
離れて。
さっきよりも柔らかい表情だったけど、
まだちょっぴり拗ねていた。
「……さっき」
「え?」
「さっき、部長となに話してたの?」