【完】結婚させられました!?
ダダダって地響きみたいな音が前方から
聞こえてきて、ビックリして硬直してる
私に、何かが抱きついてきた。
「お帰り心優!」
誰―――っ!?
急に抱きつかれたから顔は見えなかった
。だけどこの赤いメッシュが入った茶髪
といい……。
ダボッとしたズボンの着こなしかたとい
い!!
このスニーカーの持ち主だって事は確か
だった。
こ、こんなチャラ男知らん!!
もう固まって声も出せない私に、すりす
りとソイツは頬擦りしてくる。
途端、ハッと我にかえってソイツを押し
返す。
……が、微動だにしなかった。
「ちょ、離れてよ!あんた誰!?なんで
私の名前しってんの!」