【完】結婚させられました!?
純白のドレスを纏うその姿や、丁寧に巻
かれた艶のある、髪の毛や。
たいして濃い化粧を施した訳でもないの
に、その美人さが更に際立っていて。
やっぱり、胸が、揺れる。
どうしたって自分のモノにしてしまいた
いんだと、胸が疼くんだ。
あの笑顔を独占できたら。
彼女が望むのなら。それで、彼女が俺の
モノになると言うなら。
どんなものでも、諦められるのに。
いつも簡単に俺に恋心を植え付けて行き
ながら、その身体には触れさせたり、し
ない。
───……我慢なんて、もう限界だった
。
その誘うような唇を見た瞬間、本当にど
うしようもなく胸が揺れた。
ぐらり、と理性が崩れていく、音がした
。
ダメだってことは、わかってる。
……それでも、俺は。
君に触れたくて、堪らなかった。