【完】結婚させられました!?
□好きだなんて言わないで:心優side
いつもは私に合わせてくれている歩幅が
今日はついていけないくらいに大きい。
といっても、手を強く掴まれているから
、着いていくしか無いんだけど。
おぼつかない足取りで、先輩の後をつい
ていく。
掴まれた手首が、熱くて。
どうしてだか泣きたい気持ちが、胸を包
むんだ。
「先輩……っ!」
もう無理、と思いながら掠れた声で呟け
ば、先輩がピタリ、と止まって。
急に止まられたから、先輩の背中に顔面
を突っ込んでしまった。
「ぶふっ!」
「悪い」
痛む鼻先を擦っていると、そんな先輩の
声が降ってきて。