【完】結婚させられました!?
何も言うことが出来ずにうつ向くと、音
夜君は微かに笑いながらそう言って。
ごく自然に、私の手を握った。
「帰ろ」
そう言った音夜君の微笑みが、夕日に照
らされているせいかいつもよりも眩しく
て。
胸が締め付けられる。
音夜君の言葉が本気だってわかりはじめ
てから、可笑しいんだ。
なんだか彼の言葉を足蹴に出来なくなっ
て、軽い気持ちで受け流すのも憚られて
。
「今日は俺が夕飯作ろっかな!」
「食べられるものにしてね?」
「……」
「え、何故に黙るの」
こんな他愛ない、くだらない会話に、な
んだか楽しさを覚えていて。
居心地が、良くて。