【完】結婚させられました!?
そう思うと悲しくて苦しくて、ムカつい
て。
色んな感情がごちゃ混ぜになって、私は
ぎゅーっと目を瞑って俯いた。
だけどソイツは、まるで悪気はないらし
く、抱き抱えていた私をゆっくりおろす
と、じっと私の瞳を映した。
「……なあ、なんでないてんの」
「……え…っ」
その声色があまりに切ない音を含んでい
て、思わずビクッと身体を跳ねさせる。
彼の琥珀色の瞳は、全てをみすかすよう
だと―――そう思った。
「……別にキスくらい普通だろ。……だ
って―――俺らは結婚するんだから」
「は……ええぇ!?」
あり得ない!!急になにいっちゃってん
のコイツ!
「あれ、聞いてなかったの?」