【完】結婚させられました!?
そう言いながら私たちの間に入って来た
のは、黒木君。
その表情は、至極楽し気に、ニヤニヤと
していた。
「心優ちゃんが俺らに取られないか、心
配なんだよ、コイツ」
「───……え」
まったく予想もしてなかった言葉が突き
つけられて目をぱちくりさせると、音夜
君が黒木君を睨み付けた。
「余計なこといってんじゃねーよ!」
「お前、必死すぎだから」
「うっせー!」
黒木君と音夜君はそんな風に言い合いを
始めて、結局何の事なのかよくわからな
かった。
その時。
「音夜ーっ!もう来てたんだー!」
不意に、キャピキャピしたような、そん
な女の子の声が聞こえてきて。
黒木君と渡辺君の顔が曇ったのと、音夜
君に誰かが抱き着いたのは、同時だった
。