【完】結婚させられました!?
……気付いてるくせに。
俺は北野を今度こそ突き放し、心優の肩
を抱いた。
それだけで照れる彼女を愛しく思いなが
ら。
それから裕太と翼と来たら、俺を置いて
きぼりにしてどっかにさっさと行っちゃ
うし。
北野と取り残されたこっちの苦労も知ら
ずにコノヤロウ……。
「……じゃあ、俺も───」
「諦めないから」
微妙な沈黙が流れたその時、俺が言葉を
紡ぐのを阻止するように重ねられた言葉
。
「諦めないからね、私」
とても真っ直ぐな目で、そう言われたら
。
諦めろ、なんて残酷なこと、言えなかっ
た。
だって俺、知ってるんだよ。