【完】結婚させられました!?
そう言いながら私の頭を撫でてくれた先
輩にえへへ、と笑いながら、頷いた。
それから二十分ほど練習を続けてから、
その日の練習は終わり。
急いで制服に着替えて部室を出ると、黒
いマフラーを口元まで覆うようにぐるぐ
る巻きにして、ポケットに両手を突っ込
みながら壁に凭れる先輩がいた。
うーん、さすが先輩。どんな態勢もサマ
になるから羨ましい。
先輩の元に駆け寄ると、ぶるぶるっと先
輩が身震いした。
「……っさみー」
先輩、かわいい!……っていうと、絶対
不機嫌になるから言わないけどね?
「先輩、待たせてごめんなさい!」
「ん、いいよ。その代わり、温めてもら
うから」
え?と首を傾げていると、先輩がそんな
私にちょいちょい、と手招きした。
なんだろうな、なんて思いながら先輩に
近付くと。
───……ぎゅぅ…っ