【完】結婚させられました!?
「……何。俺に彼女が居て欲しかった訳
?」
急に低くなった声に、少し戸惑う。
……お、怒ってる―――……?
「だって…もう、高校生だから……居る
かなって……」
「高校生つってもまだ、6月の終わりだ
し。それに本気になれるような女は、居
なかった。だって俺は……」
そこで一旦言葉を止めた音夜君は、切な
そうに瞳を揺らめかせた。
琥珀色の瞳が、じっと私を捉える。
―――吸い込まれそう、だった。
「俺はずっと、心優が―――」
「あらぁ!!音夜君!!」
―――音夜君の声を遮るようにして聞こ
えてきた、陽気な声。
その声の主は、ニコニコと笑いながら、
私達を見つめる―――。