【完】結婚させられました!?
そんな笑顔で、いきなりそんなお願いさ
れて理解しろって方が、無茶な話だ。
「だから、心優から俺へのクリスマスプ
レゼントその1!俺に夕飯作ってよ。材
料費とかはもちろん負担するからさ!」
私の手を両手で握りながらそう言う先輩
。
私は何度か、目をしばたいた。
「そ、その1って……?」
「ん?その2まであるってこと。よし、
そうと決まればレッツゴー」
「ちょ、先輩ぃぃ!?」
行く、なんて言ってないのに、まるでそ
れ以外の選択肢なんて与えないかのよう
に私の腕を引っ張り出す先輩。
結論から言うと、きっと先輩は寂しかっ
たんだと思う。
◆◆◆
「───……着いたよ」
そう言われて連れてこられたのは、クリ
ーム色の真新しい壁が印象的な、ごく普
通のアパート。