【完】結婚させられました!?
先輩に促されて中に入ると、そこはやけ
に閑散としていて、靴も先輩の物以外ど
こにもなかった。
「入っていいよ」
「あ、はい」
そう言われて、ブーツを脱いでからリビ
ングへといけば、やっぱり質素な部屋。
だけどモノクロで整えられた、お洒落な
部屋だった。
ただ、ソファーもテーブルも椅子も、一
人分しかない。
どうして……。
「ビックリした?生活感ないよな、ここ
」
どうしたらいいのかわからずそこに突っ
立っていたら、不意に後ろからそう声を
かけられて。
ハッとしながら先輩を見上げた。
「あ、いえ……」
「遠慮すんなよ。俺だってそう思ってる
から」
そう言った時の、先輩の表情が。