【完】結婚させられました!?
一人暮らしにしては大きすぎる部屋。寂
しくないわけがない。
「先輩……寂しいですか?」
もっと遠回しに尋ねてみようと思ってた
のに、無意識に口からこぼれた言葉は、
やけに室内に充満して。
先輩は一瞬、驚いたように目を見張った
後、ふわり、と微笑んだ。
「心優が居るから、寂しくない」
そういってくれた先輩が、「おいで」と
両手を広げたから、私は躊躇わずにその
腕のなかに飛び込んだ。
「……先輩、ご飯なにがいいですか?」
「心優が作ってくれるなら、なんだって
いい。それが毒でも食べる」
「そんなの入れませんっ!」
「冗談だって、怒んなよ」
そう言いながら笑った先輩に、とびきり
美味しいご飯を作ってあげようと、心に
決めた。
それから一時間後。