【完】結婚させられました!?
真剣にそう告げた先輩に何も言えずにい
ると、そんな私の顎に、先輩の指があて
られる。
「……ほんと、ムカつく」
先輩は、ボソッと憎々しげにそう呟くと
、一瞬だけ切なげに眉間に皺をよせて、
私にキスをした。
「んぅ……っ」
急に塞がれた唇に驚いて、思わず唇を開
けば、スルリと難なく滑り込んでくる先
輩の舌。
幾度も先輩とキスを交わしてきたけど、
こんなに荒々しい、感情をぶつけてくる
ようなキスは初めてだった。
それすらも、愛しい。
「……っはぁ……」
苦しくなってくると、先輩は唇を離して
くれて、そんな先輩の息も少しだけ切れ
ていた。
寒い空気の中で、二人の吐息だけが熱く
て。
先輩の熱に浮かされたように、私の体も
温まっていく。