【完】結婚させられました!?
お母さんに仕組まれたどっきりだよね?
そうじゃなきゃあり得ないよね!?
だけど音夜君は、まさか、というように
笑いながら私を見下ろした。
「どっきりじゃないよ?本当。小さい頃
、仲良かった俺の母さんと心優の母さん
が決めたんだって。契約書もある」
そ、そんな―――っ!!
なにしてくれちゃってんのお母さん!!
「で、でもそんなの私達の意志があった
訳じゃないし……無効だよ!」
慌ててそう言うと、音夜君は少し苦しそ
うに顔を歪めると、ぽつり、と呟いた。
「俺……。婚約破棄、するつもりもない
から。心優は俺のものだよ」
「待ってよそんなの―――」
「約束しただろ?」
音夜君はそう言うと、切なそうに瞳を揺
らめかせて、嘲笑した。
その笑いがあまりにも切なくて、もう、
それ以上は言えなかった―――。