【完】結婚させられました!?
「……嫉妬深くて、ごめんな」
先輩はそう言いながら少しだけ微笑んで
、私の髪の毛を撫で付けた。
「……先輩には、ガトーショコラなんで
す」
「……ガトーショコラ?」
「はい。大河原先輩たちには、トリュフ
ですけど……先輩には、おっきめのガト
ーショコラ、なんですよ」
にっこりと笑って、白い箱を取り出す。
慎重に扱ってきたから、箱は崩れてない
。
そのことにホッとしながら、それを先輩
に渡すと、先輩はゆっくり箱を開けて。
「……っ…不意討ちじゃん、こんなの」
少し頬を染めながら、照れたようにそう
言った。
そんな先輩の目線の先にあるのは───
"先輩、大好きです"
ホワイトチョコに、不器用そうなチョコ
ペンで書かれたそんな文字。