【完】結婚させられました!?
直立不動で固まった俺を、不思議そうに
見上げる澤部。
俺はそんな澤部を睨み付けた。
「んだよ、見てんじゃねーよ」
「……なんで急に怒るの」
「……悪い」
そうだよな。澤部に怒るのは筋が違うよ
な。
そう思い、謝れば、"変なの"と言われ。
どうしても俺は、澤部の前だと普通で居
られない。
素直になれない自分を恨めしく思ってい
ると、澤部が"ん"と箱をつき出してきて
。
ドキリ、と、胸が高鳴った。
「チョコレート。……口に合うかは、わ
かんないけど……」
「……サンキュ」
「……っ!?」
ふ、と微笑んで、というかもう顔が緩む
のを我慢出来なくなって。
箱を受けとると、顔を真っ赤にさせて、
目を見開いた澤部が居た。