【完】結婚させられました!?
『もしもし?心優?陽介だけど』
先輩だ……。
携帯から流れてきた先輩の声に、なんで
かなきそうになって。
好き、って気持ちが甘い陶酔になって溢
れ出してくる。
「うぅ……先輩ぃ……っ」
『心優?どうした』
相変わらず優しい先輩の声。
先輩に迷惑はかけられない……だから、
音夜君の事も言えないよ……。
私は袖で涙を拭いながら、機械の向こう
側の先輩にわらいかけた。
それから、できるだけ明るい声を取り繕
う。
「なんでもないです……。先輩の声きい
たら、会いたくなっちゃって……」
『……俺も』