【完】結婚させられました!?
ちょっと照れたような先輩の声。
『俺も、心優がそんなこと言うから、会
いたくなった』
そんな言葉の一つ一つで、すごく幸せな
気持ちになれる。
先輩が大好きって、そう自覚する。
『心優の声、聞きたくなっただけだから
……。また明日、朝練でな。おやすみ、
心優』
「お休みなさい……」
通話が切れた後でも、幸せの余韻に浸る
ように携帯を抱いた。
やっぱり私には先輩だけ。
結婚したいのも、先輩ただ一人―――。
「ん……っ」
眩い日射しに当てられて、顔を歪めなが
ら目を開く。
気付けば、辺りは明るくなっていた。