【完】結婚させられました!?
何をいってくれちゃってるんだ、弟くん
よ。お陰で目もあげられないじゃないか
。
ただ、横からただならぬ真っ黒なオーラ
が漂ってきてることだけは、わかる。
「……キス、ねぇ?」
「……っ!」
ふ、と微かに笑い声を含んだ先輩の声に
、ゾワッと言い様のない寒気が襲う。
逃げたい。だけど怖くて足がすくむ。な
んて役立たずな私の身体!
「……入部は認めてやるよ。イイコト教
えてもらったから」
「……えーと…。なんか、ゴメン」
入部許可を得た瞬くんが、顔をひきつら
せているのがわかった。
きっと自分のしでかした罪の大きさに気
がついたんだろう。もう、手遅れですけ
どね!
で、最後の"ゴメン"は私に対しての謝罪
。それほど先輩が恐ろしいことになって
るんだろう。
「あー……じゃあ私、一年生の指導に─
──」
「必要ない」