【完】結婚させられました!?
「心優はあれか。俺に喧嘩売ってんのか
?あん?」
「そんな、滅相もない……っ」
ひぃぃ、と身震いしながら、苦笑いで首
を横に振る。
先輩に喧嘩売るとか、勇者すぎ!
「……なあ、わかってんの?」
先輩は酷く冷たい瞳で私を見下ろすと、
その指先で、私の唇を、ふに、と押した
。
先輩の触れた部分が、嫌ってくらいに熱
くなる。先輩の指先に、犯されたように
。
「心優は、俺のモノだってコト」
だから、誰にも触らせんな。
───耳許に唇を寄せて、そう囁いた先
輩は、真っ赤になった私を満足そうに見
下ろして、その場を後にした。
もうやだ。
先輩と居ると、心臓がいくつあっても足
りない……。
「あ、心優先輩」