【完】結婚させられました!?




「心優はあれか。俺に喧嘩売ってんのか
?あん?」


「そんな、滅相もない……っ」



ひぃぃ、と身震いしながら、苦笑いで首
を横に振る。



先輩に喧嘩売るとか、勇者すぎ!



「……なあ、わかってんの?」



先輩は酷く冷たい瞳で私を見下ろすと、
その指先で、私の唇を、ふに、と押した




先輩の触れた部分が、嫌ってくらいに熱
くなる。先輩の指先に、犯されたように




「心優は、俺のモノだってコト」



だから、誰にも触らせんな。



───耳許に唇を寄せて、そう囁いた先
輩は、真っ赤になった私を満足そうに見
下ろして、その場を後にした。



もうやだ。



先輩と居ると、心臓がいくつあっても足
りない……。



「あ、心優先輩」





< 295 / 419 >

この作品をシェア

pagetop